New Blog ! !
■ピラティス関連記事
■修了生の声
■過去のセミナー
リハピラティスベーシックコースで行う基礎的な呼吸と姿位を保つエクササイズです。
呼吸は姿勢を保つ筋肉としても非常に重要な筋肉です。
そして呼吸は1日約2万回行う『運動』です。
つまり呼吸にアプローチすると24時間お客さまにアプローチができます。
まずはご自身で姿勢を保ちながら呼吸を深める事ができるか試してみて下さい!
ベーシックコースではこの呼吸法をしっかり練習します。
呼吸と姿勢が上手くなればその他のエクササイズ効果も飛躍的に高まります。
リハピラティス協会の中川裕喜です。
今日は体幹や骨盤の評価方法のまとめを記載します。
評価方法自体は重要ではなくその評価結果から何を読みとりどういった運動処方やリハビリがその方にとってより効果的かを『考える』事が一番大切です。
そういった思考も含め簡単にではありますがご紹介します。
運動指導や治療の際にお役立て頂けますと幸いです。
もくじ
第1章
①体幹の評価(前額面)
②肋骨角度の評価
③腹圧評価
第2章
①体幹の評価(矢状面)
②骨盤の前後傾評価
③腰椎の評価(前弯orスウェイバック)
第1章
①体幹の評価(前額面)
ASIS(上前腸骨棘)・第10肋骨この2点のズレを見極めます。
①体幹の評価(前額面)
ASIS(上前腸骨棘)・第10肋骨この2点の位置関係により評価を行います。
■評価ポイント
・胸郭と骨盤に左右のズレがないか?
・第10肋骨とASISの距離に左右差(側屈)がないか?
上記写真エラーの場合
■胸郭が左へズレている
腹圧の左右差や脊柱や胸郭の歪みや変形
脊柱への剪断力の増加
■右側のASISと第10肋骨間が短い
腹斜筋や体幹の側屈に関わる筋肉が短縮、逆に左側の腹部の筋群は伸長されている。
これらの可能性が考えられます。
②肋骨角度の評価
正中線に対する肋骨角度を確認します。
②肋骨角度の評価
■評価ポイント
・肋骨角度 が90°(ニュートラル)か?
・左右の肋骨角度の違いがないか?(理想は正中ラインを軸に左右のアングルが45°づつ広がり合計90°であればニュートラル)
人によって左右で肋骨の角度に違いがある場合があります。
■肋骨角度が90°以上(リブフレア)
ZOA(ゾーン・オブ・オポジション)が浅くなり横隔膜が正常に働かなくなります。
原因:腹斜筋/胸横筋/肋間筋等強制呼気に働く筋群の弱化
呼気で上手く息が吐ききれず肋骨アングルを閉じる事ができない為、体幹が不安定になり腰痛等のリスクが高まる。
■肋骨角度が90°以下(チェストグリッピング)
胸郭の下部が拡張しなくなる。
原因:腹筋群や呼気筋の短縮
吸気で深く息を吸えない為呼吸補助筋を過剰に使う。
1日20,000回行うと言われる呼吸ですが肋骨角度がニュートラルから逸脱すると呼吸筋が上手く働かなくなったり腹圧の低下を引き起こします。
結果呼吸補助筋や本来呼吸で使うべきでない筋肉を代償的に呼吸に使う事で1日20,000回誤った運動パターンを繰り返す事になります。
例えば肩をすくめて呼吸をする代償パターンなら肩コリや50肩/インピンジメント等を引き起こし易く、
腰を反らす事で胸郭を広げて代償するパターンなら腰部の筋肉を過剰に使い過ぎて腰痛を引き起こす可能性があります。
③腹圧の評価
肩に手を置き坐骨に向かって体重をかけて腹部の安定性を評価します。
③腹圧評価
■評価ポイント
座位腹圧評価法
椅子に座った患者の片方の肩に体重をかけた時の腹部の安定感や脇腹の潰れ(側屈)具合を確認します。
腹圧が弱い方は押した時に耐えれず脇腹から側屈するように潰れてしまいます。
潰れない腹圧の強さも大切ですが左右差が大きいと腰痛や姿勢の歪みに繋がります。
しっかり左右差を評価しましょう。
サイドプランクでの腹圧評価
肘と膝を地面についた状態で上体を持ち上げて保持
上からお腹や骨盤の辺りを押してどの位の強さまで耐えられるかを確認します。
地面側の腹圧の強さを検査しています。
*どちらの評価も押した時に潰れやすい方は腹圧が弱化しています。
カルテ記入例
評価結果をビジュアル化する事で全ての評価が繋がり患者さんの体が3Dで診れるようになります!!
ここまでの3つの評価
①体幹の評価(前額面)
②肋骨アングル評価
③腹圧評価
に左右差がある状態で腹筋などの体幹トレーニングを行えばその方の腹圧差や姿勢の歪みは更に大きくなる事が多いです。
つまり鍛える事は身体機能を高めるうえで非常に大切ですがその前段階として左右差や体の歪みを整える事は更に大切です。
運動処方の考え方・・・
例えば3つ目のサイドプランクは評価であると同時にトレーニングとしても使えます。
その為腹圧が弱く苦手な側の保持時間やセット数を多くして腹圧や体幹筋力の左右差を整える事が大切です。
トレーニング処方では左右同じ回数しましょう。という処方がいい場合もあれば左右で変えた方が良い場合もあるという事ですね!!
もし患者様やトレーニング指導をされているお客様で肩の高さや姿勢に歪みがある場合は是非第1章の評価でどこに問題があるのか問題抽出にお使いください。
続きは後日更新したいと思います。
第2章
①体幹の評価に用いる骨のランドマーク(矢状面)
②骨盤の前後傾評価
③腰椎の評価(前弯orスウェイバック)
①体幹の評価に用いる骨のランドマーク(矢状面)
矢状面(横向き姿勢)から体幹と骨盤の評価には以下4点のランドマークを触診します。
①第10肋骨
②ASIS(上前腸骨棘)
③恥骨
④PSIS(上後腸骨棘)
②骨盤の前後傾評価
PSISとASISの幅を評価します。
骨盤前傾タイプはASIS・PSISの幅が指2、5横指以上
後傾タイプはASIS・PSISの幅が指2横指以下となります。
上記写真のように側面からASIS PSISを触って何横指分かを見極めます。
大切なポイントは《前傾タイプ》と《後傾タイプ》では筋肉の短縮と伸長パターンが真逆になるという事です。
つまりこのタイプによっては同じエクササイズでも効果的な人もいれば逆に骨盤の傾きが大きくなり悪化する方もいるという点です。
③腰椎の評価(前弯orスウェイバック)
腰椎の評価はASISに対して第10肋骨が前に移動しているのか?後方へ移動しているのか?で判断します。
上写真向かって左から前弯・ニュートラル・後弯となります。
下の姿勢写真1枚目
骨盤前傾 + 腰椎前弯の例
続いて2枚目の写真
骨盤後傾 + 腰椎前弯
このように骨盤と体幹の評価を知るだけで大まかにその方の短縮筋と伸長筋の目処がつきます。
*あくまで一例で必ずこのパターンになっているという訳ではありません
たとえば上記の違う組み合わせとして多いのが『骨盤後傾 + 腰椎前弯』です。
体型例としては【妊婦さん】や【脂肪がたくさんついてお腹が出ている方】等です。
こういった方に多い例としてお腹の重みを骨盤後傾する事で支えようとするが腹圧を効かす事ができない為、腰椎が反ってしまい腰痛が起こる。というパターンです。
基本的なアプローチの仕方としては『本来あるべき状態への回復』(ニュートラル)が目標になりますので、
まず動きの制限になりやすい短縮筋をストレッチして伸長した筋肉は収縮させ鍛えるるという事。
姿勢タイプ別アプローチや運動処方の概念についてはまた後日記載させて頂きます。
明石リハビリテーション研究会様にお招き頂き50名の先生方へ『慢性痛 変形性膝関節症に対するリハピラティスアプローチ』をW代表2人で担当させて頂きました!
実技編は中川が、理論編は『痛みの起きるメカニズムについて』山本が担当させて頂きました。
痛みを感じるのも体を動かすのも「脳」
だからこそ根本から腰痛や変形疾患を治療するには脳の観点が必要不可欠!!
そして同じく明石運動器リハビリテーション研究会講師の久須美先生にはセミナー終了後エコーで僕自身の腹横筋の収縮を実際に見せて頂きました!
腹圧が高まった状態の腹横筋の筋厚を実際に見ながら動きを確認したのは生まれて初めてでかなりテンションが上がりました!!
マクロ目線で身体全体の動作分析をしつつミクロ目線ではエコーを駆使して目では見えない深部まで見る!!
本当に素晴らしいシステムで患者様をリバビリされてるシステムに感動しました。
セミナー後の打ち上げは脳も体もめいいっぱい使ったので焼肉でタンパク質補給
本当に充実した1日でした♫